酒類販売業免許を取得するためには、多くの要件をクリアしなければなりません。
その要件のうち重要なものが「経営基礎要件」です。
本記事では一般酒類小売業免許の経営基礎要件の酒類販売の経験の部分について、詳しく解説いたします。
以下は、税務署の一般酒類小売業免許申請の手引より一部抜粋です。
●3 酒税法10条10号関係の要件(経営基礎要件)
チ:経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人であること。
(注) 申請者(申請者が法人の場合はその役員)及び申請販売場の支配人がおおむね次に掲げる経歴を有する者で、酒類に関する知識及び記帳能力等、酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有し、独立して営業ができるものと認められる場合は、原則として、この要件を満たすものとして取り扱うこととしています。
1 免許を受けている酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に引き続き3年以上直接従事した者、調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して3年以上である者。 なお、これらの従事経験や経営経験がない場合には、その他の業での経営経験に加え「酒類販売管理研修(17 頁参照)」の受講の有無等から、①酒類の特性に応じた商品管理上の知識及び経験、②酒税法上の記帳義務を含む各種義務を適正に履行する知識及び能力等、酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力が備わっているかどうかを実質的に審査することになります。
要約すると、
① 3年以上お酒の製造や販売に従事した経験があること
② 調味食品などの販売業を3年以上継続して営業していること
③ ①②の業務に従事した期間が相互に通算して3年以上であること
これらいずれかをクリアした上で、
酒類に関する知識及び記帳能力等、酒類の小売業を経営する知識や能力
が認められれば、経営基礎要件の経験の部分についてはクリアできることとなります。
① 3年以上お酒の製造や販売に従事した経験があること
② 調味食品などの販売業を3年以上継続して営業していること
についてですが、学生時代にコンビニやドラッグストアのアルバイトでレジ打ちをしていた経験がある場合や、居酒屋やファミリーレストランなどのキッチンで働いていた経験がある場合でも、要件としてプラスになります。
更に、お酒コーナーの品出しを主に担当していた、 ビールやサワーをグラスに注ぐ業務(いわゆるドリンカー)を主に担当していた等、お酒にまつわる経験としてプラスに働くことがあるなら、必ず税務署にそのことも申告するようにしましょう。
酒類に関する知識・酒類の小売業を経営する知識
についてですが、ソムリエ資格やワインエキスパート資格等、お酒にまつわる資格がある場合は大きなプラス材料となります。
記帳能力等
についてですが、望ましいものとしては過去に個人事業主として確定申告をした経験があることや、法人として決算報告を行ったことがあるなどです。
また、その経験がなくても企業の経理部門で働いていた、店舗の棚卸作業を担当していた等、何か記帳部門としての経験がある場合は申告するようにしましょう。
以上、経験の部分について解説いたしましたが、これらの経験等がないという場合でもとることができる手段としては以下となります。
⑴法人として申請を行う
⑵役員に上記経験を持つ人を選任する
上記に挙げた各種経験等については、法人の場合、役員全員で総合的に判断が行われます。
手引書を確認して要件をクリアできないと考えたときや、他の行政書士に取得は難しいといわれた場合でも、このような方法で取得できる方法があるかもしれません。酒販免許取得を検討する際は、当事務所へお問い合わせください。